

- 代表取締役社長田中 晶氏
- 青森東高校卒。卒業後は東京都内の大学へ進学。その後一般企業へ就職したがUターンし青森市にて株式会社DENフード・スペシャルを起業。
青森の魚を全国に広げて行く懸け橋へ
本日は田中社長の大変貴重なリアルなお話を、雑談形式で聞かせていただければと思います!よろしくお願いいたします!早速なのですが起業のきっかけは何だったのでしょうか?
実は起業したきっかけはコレといってなかったんですよ(笑)。飲食店を経営していますが、料理自体はしないんです。大学に入学した時は全盛期に比べると4分の1ぐらいの仕事しか無くて、卒業後もアルバイトをしたり一般企業へ勤めてみたりと、なかなか将来が見えない状況でした。そんな時に仲間内で飲食店とか良いねっ!という話になりまして、私が代表になってやってみようかとういうのが最初のきっかけでした(笑)
すごい決断ですね(笑)では最初はご友人と合同で起業したのですか?
いえ、起業した際は私個人で始めました。飲食店の経験などはもちろんありませんでしたので料理人を雇い、最初は現在の場所ではなく古川の方にお店を出しました。積極的にこれがしたいという訳では無く、どちらかというとやることが無いから、それだったらやりたいと思う事をやってみようというような感じで起業しました(笑)
ではやりたかった夢…という訳ではなかったのですね(笑)
そうですね(笑)父も普通のサラリーマンですし、私も末っ子なので事業を継ぐとか、そういうのも特にありませんでした。普通に暮らしていくために一般企業へ勤めてやり遂げるという選択肢もひとつでした。しかし中々そういう仕事に巡り合えなかったですし、起業する前に働いていた会社は私が辞めた後に何年かで倒産していましたので、永遠に続くものではないのかなという認識もありました。それであれば仮に失敗しても、元々0だったものが0に戻るだけだなと、思い切ってやってみようと奮起しました。
なるほど・・・すごいですね!私もやる気が貰えます!現在、社長様が自ら行っている業務はどのようなことでしょうか?
会社の業務としては市内3店舗の運営や、県内外の百貨店で行われる物産展等に出張して出店を年間でだいたい20回程こなしています。その中で個人的な業務としては仕入れが私の業務になります。青森中央市場に毎日毎朝行き、店で使用する魚を仕入れています。仲卸の方に頼んだり、中には漁師さんから直接仕入れる場合もあります。自ら取りに行き、情報交換をしながら常に新鮮なものを提供出来るようにしています。
毎日毎朝!何時頃から仕入れに行かれるのですか?
店舗が9時~10時頃に閉店となり、各店舗から何を仕入れたいかのメールが来ます。午前3時頃に仕入れを取りまとめ、そこから商品によってコレはあっち、アレはこっちなどと発注をし、それから市場に出かけます。そこで発注した以外の商品を実際に目で見て買い付けをします。その買い付けしたものを振り分けていくというのが私個人で行っている仕事になります。

午前3時・・・ほとんど寝ていないのではないですか?
そんなことはありませんよ(笑)店舗は9時~10時頃まで開店していますが、私はその時間までお店の方には居ませんので(笑)
そうなんですね!てっきり不眠不休で働いているのかと思いました(笑)お話は変わりますが、御社で働いてる従業員様はどのような方々ですか?
現在はパート・アルバイトと正社員を合わせると女性スタッフの方が少し多いです。年代としては若い方から経験豊富な年配の方、学生アルバイトさんまで幅広く勤務しています。
女性スタッフが働きやすい環境なんですね!これから先、目指している事はありますか?
今年で起業して20周年を迎え、ずーっと飲食店を経営してきましたが冒頭でお話しました通り私自身は調理等しませんので、飲食店じゃなきゃダメという考えは無いです(笑)そこで現在私が行っている仕入れの部分に関して、魚等の流通を事業化して行っていきたい考えはあります。
流通ですか!?
そうですね。私は青森市で飲食店を経営しながら、県外の物産展へ出店できるのが大きい経験だと思っています。現在、名古屋、横浜、東京、大阪、九州なんかにも回らせて頂いております。都市圏に行った時にその場所や人から求められているものを肌で感じることができるんです。衛生面や、接客に対してすごくハードルが高いので、その経験を活かして模索しながら青森の魚を全国に広げて行く懸け橋になりたいと思っています。
なるほど!今まで物産展へどのような食品を販売しているのですか?
主にはホタテですね。私が仕入れてきたホタテを持ち込んで、現場で佃煮にしたものをお弁当にして販売したりしています。しかし簡単な事ではなく、現在の物産展は商品が安全なものかどうかの基準を満たしているかなど厳しいチェックがありますので、事前に検査してクリアしないといけないんです。そこが大変ではありますが、会社としてはかなり大きな経験になっています。
そうなんですね。やはり私個人としては田中社長と言ったらホタテのイメージなのですが、ホタテをメインにしていこうと思ったきっかけは何でしょうか?
ホタテというのは即急力素材であるところです。ホタテと言えば北海道のイメージだと思いますが、青森のホタテも食べていただくと大変美味しいとお声をいただきます。陸奥湾ではホタテの養殖を盛んに行っていますので、年間を通して安定供給できるのが大きな理由ですね。
そういえばホタテを釣って楽しむ事ができると聞いていたのですが!?(笑)
そうですね(笑)5月から7月ぐらいまで陸奥湾のホタテが最盛期になります。その時期に実は昔から青森のイベントの一つとしてホタテ釣りはやっていたんです!そんな中、青森商工会議所内で青森のホタテを年間通じて観光客へPRしていけないものかという話になった時に、一つの試みとしてホタテ釣りを行ったんです。ねぶた期間などに試してみたら高評価でお客様に大変喜んでいただけました。そこから事業としてやってみよう!という事になり、ホタテ釣りを引き継いだのが私の会社だったんです。
そうなんですね!ちなみに今までのホタテ釣りの最高記録は何枚ですか?(笑)
3分間で13枚が最高記録です!!
13枚ですか!?すごい数ですね!社長様も釣るのお上手なんですか?
そうですね(笑)空いた時間に遊びでホタテ釣りをしたりしますからね(笑)あとはお客様に見本で一回釣って見せるので、従業員もとても上手いですね(笑)

お客様はやはり観光客が多いですか?
それが意外と地元の方も多いですよ!夏休みなど、お休みの日には子供連れのお客様もいっぱい来てくださいますね!でも、やはり一年通して見てみると観光客が多いかなとは思います。
繁忙期というのは、やはりねぶたの時期ですか?
桜が咲く季節から紅葉が終わる時期までがオンシーズンです。それが過ぎると正直何もないです(笑)なので、どうやって閑散期を乗り切るのかが私たちの課題ですね。今は上手い具合に閑散期に県外の物産展の仕事が多く入っているのでマイナス思考ではなく前向きに頑張っています。
では社長様の性格はポジティブなのですね
いえ、そんなことないと思います。むしろ慎重なほうですね(笑)一般の方からすると何でそんなことを思いつくのか?と言われますが、私からするとそれしか思いつかないんです。私は長い間経営していますので、何回も何回も反芻して失敗しないように穴が無い様に考えるので慎重な方だと思います。
海外からのお客様も多いですか?
そうですね。一昨年よりも去年、去年よりも今年ということで年々増えています。言葉が伝わらない時は、ジェスチャーやスマホアプリを使用したりしていますね。またメニューのほとんどに写真を付けて外国人の方にもわかり易くする工夫をしています。ただ、来店される海外のお客様はSNSなどであらかじめ調べて来て下さり、食べたい料理の写真を見せてくれるので助かっています(笑)
スタッフの皆様も工夫が凄いですね!企業理念が浸透されているのでしょうか?
この事業はサービス業ですので、お客様、スタッフ、会社すべてが満足しなければ成り立たないと思っています。その点を従業員に周知し理解して貰うようにしています。
社員の皆様に目指して欲しい人物像などはありますでしょうか?
会社で仕事している間というのは、皆その役柄を演じていると思っております。やはり中にはやりたくない仕事を生活の為にしている方もいらっしゃいますから。しかしそれで良いと思っております。個人個人やりたい事が違っているのは当たり前ですから。その中でやるべき事をやっていけるようなスタッフになって欲しいですね。ですから第一にプライベートを充実させて欲しいと考えています。プライベートを充実させる事によりメリハリが出て仕事にも精が出るのでは無いかと思っているからです。
休日はどのように過ごされていらっしゃいますか?
私は決まった休日というのはないんです。会社勤めを辞め自ら会社をやると決めた時に、それも全部踏まえて覚悟していましたし、体が元気に動くうちにしっかりと蓄えておきたいと思っています(笑)そして夢としては後10年したらすっぱり引退したいと思っておりますので(笑)ですから今はどちらかというと休みたく無いなと思っています。最初の頃は本当に休みたくても休めない状況が続きましたけどね(笑)
引退!第二の人生スタートですね。10年後に引退した後は後任の方に託されるのですか?
そうですね。後任の者が無理強いしなくとも継続していきたいという気持ちがあるのであれば託していきたいですね。実際仕方なく始めたと言えばアレですが、0だったものが0に戻るだけですので良いのです。しかしせっかく活用出来る事があり、引き継ぎたいと思ってくれるのであれば後任に託していきたいなという考えはあります。まぁ、私もまだ10年頑張りたいと思っているので、今のところこの人に託したいという考えはありませんよ(笑)
なるほど(笑)社長様が面接する際に見ているポイントは何かお持ちですか?
職種にもよるかとは思いますが、厨房であれば経験者かどうか見ています。ホールスタッフであれば、明るくやる気があるかどうかを一番に見ています。もちろん真面目な事も必要だと思っております。
青森にこれから貢献していきたいと思っている事はありますか?
青森に貢献したいだけの気持ちで営んでる訳ではありませんが、ここで事業を営んでる以上、やはりそういった思いも少なからずはあります。県外のお客様に喜んでいただき、その対価をいただく。そして、また青森の魚を仕入れてお客様へ提供する。青森の中で全て回す。これが実際に微力ながら貢献出来ているのではないかなと思っております。そしてこの先も流通を通じ、青森の魚を県外へPRし、もっともっと青森に来て下さる観光客や、また青森の魚を購入していただけるお客様が増えていけば良いかなと思っております。
素晴らしいです!最後の質問になりますが求職中の皆様ヘ一言お願いいたします!
私生活を成り立たせる為に何をするのか。会社の為にも家族の為にも、自分自身の為にも働くという意味を認識して欲しいと思っております。
会社概要 COMPANY INFO
会社名 | 株式会社DENフードスペシャル |
---|---|
本社 | 〒038-0012 青森県青森市柳川1-4-1 青森港旅客船ターミナル1F |
代表者 | 代表取締役 田中 晶 |
事業内容 | ・飲食店経営 ・その他飲食事業 |
URL | http://aomori-den.jp/ |